叫び声は
「をう、をう」
であったりする。
「ou ou」とは叫べないよな、と思う。
「う」を長音記号とみなせば、
これは
「ウォー!」
なんだろうな。
例えば下の坊さんは
木の上で
「ウォー!ウォー!!」
とわめいてただろう。
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…木の梢に叫ぶ声しけり
怪しくて見上げたれば
法師を裸に成して、梢に縛り付けたり…
「阿弥陀仏!我を殺す人あり!!
をう!をう!」
とぞ叫びける
…智恵なき聖はかく天狗に欺かれけるなり
(宇治拾遺物語巻 念仏の僧 魔往生の事)
…木の梢で叫ぶ声がするので
「なんだ?」と思って見上げると
(極楽に行ったはずの)坊さんが
裸で木に縛りつけられていた…
「阿弥陀さま~! 殺されるぅ~!
ウォー!ウォー!!」
と叫んでいた。
…知恵のないこの坊さんは
天狗に化かされていたのだった。
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上代は「を(wo)」「お(o)」であったが
中~近世は「お」「を」ともに「wo」であったり
「o」であったり変遷があるらしい。
ただ
「をう、をう」
ばかりは
「ウォー、ウォー」
でよいように思う。
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トイレで宇治拾遺物語を読んで、
そんなことを思ったのだった。
ウォォォオ
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