2015年11月17日火曜日

鴻臚館跡展示館

子供のころは「xx跡」みたいな史跡は何がいいのかわからなかったが
いまは面白く思う。
初めてそれに気づいたのは
20年以上前だが
都府楼(大宰府)の跡に立った時だった。

そういう意味で
鴻臚館跡展示館に来られたのは
それ自体とてもうれしい

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建築のことは何もわからない
肘木(ひじき)という名前はわかっても
柱の上っかわをのっぺらぼうにしない為の飾り、
くらいに思っている。
それが
こうして作ってくれるとなにをどう支えたい部材なのかよくわかる。
復元ってありがたいなー。

ここの虹梁は、お寺のようにきれいに整えられているけれど
この道具の不自由な時代でもここまで手がかけられたのかしらん
古民家やお城みたいに、
自然木の形を生かした梁みたいだったらかっこよくないかな。

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鴻臚館で思い出すのはなんといっても
平家物語の「忠度の都落ち」か。

都を落ちるに際して
薩摩守忠度が俊成卿に自作の歌の巻物を託し
あとは思い残すことなし、とばかり
「前途程遠し、思ひを雁山の夕べの雲に馳す」
と詠じつつ去っていく。

この話自体に鴻臚館は出てこないが、
忠度の詠じたこの句の出所は
「鴻臚館にて北客に餞するの序(和漢朗詠集/江相公)」

 前途程遠し。
 思ひを鴈山の暮(ゆふべ)の雲に馳す。
 後會、期(ご)遥かなり。
 纓を鴻臚の曉の涙に霑す。
     鴻臚館にて北客に餞するの序 和漢朗詠集/江相公

耽美的な甘い感傷、
という気もしないでもないが
忠度の話と相俟って印象深く、
「まだまだ先があるなぁ」と思うたび
「前途ほど遠し…」が頭の中でぐるぐる回る。
…こうなるともう、鴻臚館は一切関係ないのだが。

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小一時間ここでぼんやりしてしまった。



































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