2015年11月22日日曜日

横兵庫

たばこと塩の博物館で
結髪の実演を見た。
遊女の髪型で
横兵庫(よこひょうご)。

モデルの地毛での結髪で、
なかなかみることができないとのことで
この実演も20年ぶりとのこと。

見ごたえがあった。

元結(もっとい)の結わきよう、
かもじの入れ方、
赭熊の扱い。

落語なんかでは
当たり前のように語られ、
物自体は本でも博物館で見たこともあるけれど
実際に人の手でそれが扱われている様子は
本当に興味深い。
キリキリと元結を歯と左手で締める姿には
タイムスリップした感がある。

所要は40分程か。

出来た髪は
まずは美しい。
兵庫系統のかつらを博物館で見たことはあるが
まったく印象が違う
結う人の違いだけか?
兵庫でないとはいえ、
現代の花嫁や芸者のかつらとは全くの別物。

モデルの髪はかつらと違って
厚ぼったく重たさがなく、むしろ軽やか。
自然にさえ見える。
浮世絵で見る髪の描きようの軽い感じが
じつは写実的であることに驚いた。

思うに、
地毛を結う場合は、
結うのに量の必要な部分だけ
髪の長さの途中にかもじをいれて
毛を補充しているので
使う毛の量が少なめに抑えられて
軽やかな印象になるのではないか。
かつらは結髪に必要な量と長さを
「頭皮」に均等に植えているので
毛の量が多くなり、重たげになるのではないか。
花嫁芸者用となると、作りをかっちりさせるためにまた
違った意味でボリュームと堅牢さを作るのだろうし。


モデルの人の話では
実際、かつらと違って、
髪自体は重くもなく、案外邪魔なものでもないとのこと。


浅草に住んでいて、
こどものころ桃割れなどに結っていたが
赭熊は使われなかったがどうか、
など、実体験にもとづく質問もあって
これもよかった。

















こんなもん聞く人いないだろ、
と思って、10:00から配付の整理券を、
10:20ころいってもらおうとしたら
11:30の分はもうなく、15:00からの整理券も12,13番だった。
あとできいたら、
会館前に30人以上並んでいたとのこと。
それくらいの価値はあったと思う。

よかった

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


たばこと塩野博物館

浮世絵と喫煙具 世界に誇るジャパンアート

【イベント】結髪実演 遊女のヘアスタイル

実演:林照乃(結髪師)

解説:村田孝子(ポーラ文化研究所)

日時:2015年11月22日(日)午前11時30分~/午後3時~

会場:3階視聴覚ホール

0 件のコメント:

コメントを投稿