2015年12月23日水曜日

井丼丹靑

井をもとにできた文字
 丼丹靑穽
などに関する覚え

3000年くらいも前の中国での
漢字の成り立ちの話で
出てくる「丼」はドンブリのことではない

また

青丹(あおに)よし 奈良の都は
  咲く花の にほふがごとく 今盛りなり
      万葉集 小野老(おののおゆ)
…ということで
青は「あお」
丹(に)は「あか」を意味する。

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「井」は「あな」


「井」の中に何かあるとして
「なにか」を「丶」で表すことにすると
その文字は
 「丼」
(現代日本語のドンブリではない)。
楷書では
 「丹」
とも。



「丶」が
赤い顔料の鉱物であるとき「丹」といい
青い顔料の鉱物であるとき「丹」だと
      赤いのと区別できないので
      「せい」という呼び名を表す「ふりがな」として
      「生」の字をつけて「靑(青)」といい
水を汲む容器(釣瓶)をいれて井戸「丼/井」を表す




だから
丹の中の丶は「(ワク)」、つまり
赤い鉱物(丹砂、辰砂)を表し
靑の中の丶は「コ()」、つまり
青い鉱物を表す。

穽(=阱 セイ おとしあな)の甲骨文字には
丼の上に動物を描くものがある。


赤く美しいことを「彤(トウ)」といい
青く美しいことを「セイ(靑+彡)」という
「彡(サン)」はいろどりや、光り輝くことを表す(字統/白川静)

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柱のきれっぱしの桧の角材を手に入れて
ハンコにしてみようと思い
何を彫るか
「古籒彙編(こちゅういへん)」
という本を眺めていたら
丹、青が近い所に載っていた。

青の項には設文解字からの引用として
以下のようにある

東方色也。木生火。从生、从丹。
丹青之信言必然。凡青之属皆从青。

東方の色なり。
木、火を生ず。
生に従ひ、丹に従ふ。
丹青の信、言、必ずや然ればなり。
およそ青の属、皆、青に従ふ。

大体こんな意味かな↓

青というのは東の方角を示す色である。

青という文字は木が火を生じる様子を表すのである。
(たぶん、後述のように
「丹(赤、火)」の上に「生」の置かれた字形を
五行説的に説明しているのであろう)

青は「生」と「丹」からできている文字である。
「丹青の信」というのは、
言葉の信頼性を言うのである。

青いことをあらわす文字はすべて
「青」を部首とする。


2015年12月16日水曜日

冬知らずの仏の座を並べんだー

ホトケノザにはつぼみ
フユシラズ、
ラベンダーには
鮮やかな花。

枯れた季節ではないなぁ。




かげろう

クサバカゲロウの仲間かな。
正しい名前はわからない。
もう1匹も近い仲間とは思うけど
僕にはわからない。
夜の外灯近くにいた。
冬は虫がいない世界ではない。

この虫はなんだ?
と思って写真を撮ってみたら
サツキの枯葉だった。







2015年12月14日月曜日

天金

天ぷら屋の名前ではない。

本の装丁で、
「天」の部分に金箔が施してある。

昔はよく見た気がする。
最近見ない。
なかなかかっこいい。

いまウチにある本で思いつくのも
このシリーズ(有朋堂文庫)がまとまってあるくらいで
他は何冊もあるまい。


…なんで天金の話か、なのだが

家の工事現場を見てた
 ↓
木切れがいっぱい出ててもったいないなー
 ↓
大工さんはぜいたくに使うよなー
 ↓
惜しい木を 屋根屋はずっかずっか 切り
あれ
惜しい木を ずっかずっかと 屋根屋切り
だったかな?
 ↓
この川柳どこに書いてあった?
 ↓
ぐぐったけど見つからない
 ↓
有朋堂文庫 新撰 川柳狂歌集
を引っ張り出してみる
 ↓
あれ、この本天金じゃん

…そして肝心の川柳は見つからず


有朋堂文庫は大正末~昭和初め、
もう100年前後前の刊行。
そのうち30年ほどは我が家で過ぎて行ったと思うと感慨深い

この本を買った、神田の巌松堂書店は今
巌松堂の看板もありつつも
澤口書店というなまえになっていた。
巌松堂はどうなったのかしらん。

鬼の茶碗

背景1:
最近コーヒーばっかり飲んでた。
毎回入れるの面倒
(自分で入れるわけではないけど…)
または待ちきれなくて
4杯分入れておいて(もらって)
レンジで温めて飲んでた。

背景2:
電子レンジが壊れた
修理に出したら2週間くらいかかるみたい。

というわけで
コーヒーをチンすることができないので
ひさしぶりに緑茶をリクエストしたら。
ひさしぶりにみる湯呑にお茶を汲んでくれた。

鬼崎さんの茶碗。
鬼崎さんのデザインが結構好き。
この茶碗のことをわすれていた。

茶碗のせいではないはずだけど
なんだか緑茶が甘くておいしい。

気の利いたことしてくれたな。
しばらくこの茶碗は表に出しておいてもらうとしよう。

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食器は妻の好みでホソカワさんの作品が多い。
僕も好きだけど
なんといっても
ホソカワさんの食器は
作家ものとしては奇跡的?に
選んで買った食器が
「ちゃんと重ねられる!」。

鬼崎さんの作品だって重ねられるが
僕の選ぶものは重ならないことが少なくない。

まぁだからなんだ、
って話ですよ。
いい茶碗がしまわれっぱなしになっていたって話でした。



2015年12月13日日曜日

口のない虫

ヤモリ、
ドアチャイムの下が定位置。
こんなに寒いのに
虫が来るのだろうか。
確かに冬でもフユシャクとか、飛んでたりするんだけど。

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冬に出てくる蛾、
フユシャクの仲間の成虫には口がないものが多い
だからものは食べられない

メスには翅さえなくて、
パッと見、蛾とも思えない。

冬に成虫になって、
何一つ食べることなく、
生殖だけをいとなんで、
そして
死ぬ。



2015年12月12日土曜日

超絶技巧・ガラポン抽選当選賞品手渡しの術

ガラポン抽選で出てきたのは
末等の青玉だった。

お兄さんが賞品を渡してくれた。


「おめでとうございます!
世界一書きやすいボールペンにご当選ですっ!」
&満面のスマイル



ボールペンが本当に世界一かはわからないが
おにいいさんが
世界一の
 ガラポン抽選当選賞品手渡し技術者
であることは疑いない。

ぼくは今、
プライスレスの満足である。

木をかばう木

小さな木が
大きな木をかばうように根を張っていたが
救えなかった。

ただ
切り株には
春にはひこばえが生えてくることだろう



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ひこばえは漢字で書けば
「蘖(げつ)」
遺蘖(いげつ)といえば
幹を切り倒された後に遺された弱弱しい
(しかし生き延びている)ひこばえ(子孫、残党、生き残り)
といいったニュアンスで使われる。
「遺蘖」のはいった気になる文章があった気がするけど
思い出せないし、ネット検索でも出てこなかった
なんだったかな。
吉川栄治の三国志だったかなぁ。

2015年12月10日木曜日

孤高の百合

建物の裏の荒れ地。
仲間はみな
実となり、枯れ果てている中で
一輪華麗な姿を見せる冬の鉄砲百合は
美しいがゆえに
なおさら悲しい。



根っこはちょっとヤシに似ている
さすがは単子葉

ナショナル

駐車場の車輪止め。
街灯だったのかな。

このマークもすでに
「懐かしい」の領域に入って久しい。
昔の、ずいぶん立派な広告。





竹の柱、古りたる障子などに
書き置き給へる筆のすさびを見給ひて
「あはれ人の形見には手跡に過ぎたる物ぞなき
書き置き給はすばいかでかこれを見るべき」とて
康頼入道と二人
読みては泣き
泣いては読む
              (平家物語 少将都還)

2015年12月9日水曜日

北国赤海老

夕飯は
 ほっこくあかえび
のグラタンだった。

帰りが遅かったので
自分一人分を焼いてもらって
カリカリに焼けたエビを
頭からしっぽまで残さず食べた

「え、頭も食べたの?!」
といわれたが、むしろ
「え、頭捨てちゃったの?!」
である。

同じ食卓で食べていればそんな罰当たりはさせないものを。

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甘エビの標準和名は
ホッコクアカエビ
というのである。
北陸の方とかでは
南蛮エビ、というところもある。
南蛮というのは唐辛子のこと。

甘エビは
獲れたてはそこまで甘くない
死んで自己消化がはじまって
蛋白質がとろけてできた
アミノ酸が甘いのである。




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学生のとき
とある動物学実験は
基本的にはスケッチだった。

ある日
ひとり1匹ずつの甘エビが渡された。

去年実家で、その実験のノートを見つけて持ち帰ったが
ホッコクアカエビのスケッチは
他のページに比べて明らかに雑である。





















早く処理しないと傷んでしまう!
と思い、あわててスケッチしたのであった。

学生誰しも気持ちは一つである。

とっとと描き終して、
実験室のストーブにアルミホイルで巻いたエビをならべ
みんなでおいしく「処理」したのだった。

ごちそうさま。

2015年12月8日火曜日

絵鯛

「武士の家計簿」で
子どものお祝いの席に出す鯛の出費を惜しみ
客に「絵鯛」を供する。

用事があったわけではないが
手紙でも書いてみるか、
と思い
墨汁でがちがちに固まった筆を洗って、
手紙を書いてみた。

別に用事があるわけではないが
なんの心境の変化か、
ごご何年も書いたことのないはがきを
この2~3週間で、何通か書いた。
その「続き」で書いてみた。

これまた意味はないけど「挿絵」に鯛を描いてみた。
赤いドラえもんみたいな「絵鯛」ができた。



手のわろき人の、
はばからず、文書き散らすは、よし。
見ぐるしとて、
人に書かするは、うるさし。
           (徒然草 35段)

手紙も絵も
たまには面白い。

2015年12月7日月曜日

江戸小咄

中学生ころ買ったのだと思う。
奥付は昭和51年4月5日発行。
ほぼ40年前の本。
江戸小咄を読んで一人で笑っている中学生って…

話が短いので
ちょこっと読むのにちょうどよくて
何回の何回も読んだ。

どこがおもしろいのかわからない話があったり
こりゃお下品!もたくさんだけど、
それも面白くて
飽かず読んだ。

最初に表紙を失い、
やがて
背の糊が取れてきた

アメブタ(豚の革)で背を補強したところまではよかったが
ちょうとそのとき、
パッチワーク状に継ぎはいだ革をもてあましていて
思い付きで貼ったのがよくなかった。
表紙が硬すぎて
却って背表紙を損じてしまった。
イエス様も言っていた。
新しき葡萄酒を古いき革袋に入るることは為じ。
もし然せば袋張り裂け、酒ほとばしり出てて袋もまた廃らん。
と。

どう直そうかな、
とは思ったが、ふとAmazonを見たら
古本が出ていたので買ってしまった。
奥付は昭和61年3月14日
ちょうど10歳若返ったわけだが
説明に書いてあるほどきれいな本ではないなぁ
それは仕方ないとして
10年で坪量をだいぶ落としたらしく
厚みが1割近く減っていた
そして、本の中まで焼けている。

元の本を直した方がよかったかなぁ。






2015年12月6日日曜日

薬師如来

せっかく興がのってきたので
薬師如来を彫ってみる。

後光には
なむやく志(し)
(南無薬師)
と入れてみる。




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平らにした印面にした絵を描く
朱を塗って、筆で…
と、行きたいが、
鉛筆である。


下絵が完成


…と思ったが、
薬師如来、
薬壺(やっこ)を持つなら左手か?
と、気になりだして、
描き直す


ちょと彫れた


もっと彫れた
下書きはいじっているうち消えちゃったな。
彫ったカスを吹き飛ばすと撒き散れてよくないので小指で払う。
そうすると鉛筆の線は消えちゃうのである。
とはいえ、
もともとたいした下絵ではないので
特段の影響はない。


一応全部彫れた


インクを付けると
…だいぶ彫り残しはあるな。
まあ想定内、ということにする。


ノートに押してみる


ごちゃごちゃしているところを少々整理するか…



ひさしぶりにやったら楽しかった。
印刀は研いでおくこととしよう。

ひさしぶりの はんこ

ひさしぶりにはんこを彫ってみた。
プレゼントなどで彫ることは年に何回かあるけど
目的なく、
作りたいからつくったのはいったい何年ぶり?
思い出せる限りは
四字熟語ひとくち話(岩波書店)」をお手伝いしたのが最後か。
8年ぶりくらいかもしれない。





石も悪いが
腕も落ちた。

眼の悪いのは眼鏡が補ってくれるが
目配りが効かない。
自嘲するほど惜しくもないが、
たまにちょっと彫ってみるかな。






鳳兮。鳳兮。
何徳之衰。
往者不可諫。
来者猶可追。
已而。
已而。
今之従政者殆而。


鳳や
鳳や
何ぞ徳の衰へたる。

往く者は諫むべからず,
来る者は猶ほ追ふべし。

(や)みなん。
已みなん。
今の政に従ふ者は殆(あやふ)し。

霜葉紅なり

二月の花より紅なり。
とはいうものの、
本当に本当に、赤く、深く、美しい。
まさに言葉を失う。

杜牧に倣うなら
 歩みをとどめて坐(そぞろ)に愛す満天星(どうだんつつじ)
 霜葉は二月の花より紅なり
…と言った感じか。

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耳嚢に
「感賞の餘り言語を失ひし事」という話がある。
朝顔の花があまりにたくさん見事に咲いているのを見て
感動のあまり
思いもよらない
「ばかばかしい」という言葉と口走ってしまい、
しかもそのあとは言葉が出なかった、
というはなし。

  …感賞の余り、手を打て、
  「さて馬鹿馬鹿しき」と言ひ出だし、
  あとを言ふべき事なく、
  誠に赤面無言なりし、と。

それにしても美しい。


遠上寒山石径斜
白雲生処有人家
停車坐愛楓林晩
霜葉紅於二月花

遠く寒山に上れば石径斜めなり
白雲生ずる処人家有り
車を停(とど)めて坐(そぞろ)に愛す楓林の晩(くれ) 
霜葉は二月の花より紅なり.

2015年12月5日土曜日

夏の後始末

今日は天気も良い。
さすがに夏を片付けなくては
と思う。

トマトはまだ実がだいぶついているけど
思い切って刈り取る。

枯れたモロヘイヤに残った実。
日本の冬は越せない。

ナスは巨大化していて
花もずいぶん咲くが
ほとんど実はつかない

自然繁殖した三つ葉は元気