2015年11月23日月曜日

すり減った枡で作った煙草盆の心を読んでみる。

すり減った木箱のような煙草盆。

一見、廃物の箱に無造作に
火入れ、灰落しをいれただけ、にも見えるが、
箱には蒔絵で稲穂が描かれている。


使い古されてすり減った枡に
荒れた木の肌合いが透けて見えるよう漆をかけ、
そこに金、
それもおそらく純金でなく、銀か何かでトーンを落とした金粉で
蒔絵を施している。
稲穂の黄金の輝きとはいいつつも
金色がキラキラしすぎて、
古びた枡のアンティーク感と
あまりに強いコントラストとなることを嫌ったのだろう。

なかなかやりますなぁ。


大きさはというと
目測で1辺20cm、高さ10cmくらいだろうか。
それで計算してみると2.2升の枡。
そんなサイズの枡はないだろうから
おそらく二升五合の枡かな。

…とするとこれは
1升枡+1升枡+5合すなわち半升枡
これってもしかして
  一升枡 枡 半升
 いっしょうます ます はんじょう
  一生 益々 繁盛
の縁起担ぎか。 


なかなか、なかなか、心にくいですなぁ。

(たばこと塩の博物館にて)

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