2016年10月30日日曜日

戦利品 または 敗戦の痕

土曜日疲れるので行くかどうか迷ったし
実際疲れてしまって、
今朝は布団の中でやめよう、
と思ったのだけれど
昨日「行くよ!」
と妻に言っておいたので
今朝「行くよ!」と妻に言われて、
ちょっと見るだけ、ということで
神保町のブックフェスティバルに行く。

…見るだけ、なんて、
まぁ無理だわな。
残念ながら、
相当いろいろの誘惑を振り切ったにもかかわらず
豊作である。

10:30に神保町に着き、
17:30までの7時間、妻を引きずり回す。



特によかったこと4つ。

1)黄遵憲
  黄遵憲の「日本雑事詩」を何篇か見たことはあるけど
  他も見てみたい、
  と思ってググってみても
  出てくる本はみんな絶版。
  そのうち探してみるか、
  と思いつつ忘れていた。

  スズラン通りのテントの店で
  見るともなくひっくり返した
  本の山の底から
  黄遵憲が奇跡のように目の前に現れた。
  
  興奮気味でファミレスに持ち込んで開いてみたら
  お目当ての日本雑事詩は幾編かは採録されていたが
  網羅はされていなかった。
  まぁ今日はこれでいいか、
  と思って店を出て、2,3テントをのぞいたら
  東洋文庫の、手ずれもない「日本雑事詩」がひょっこりあった。
  
  そのあとも同じシリーズの中国詩人選集は
  いくつかの店で何セットか見たけど
  黄遵憲はもう見なかった。
  (日本雑事詩は1,2冊見たな)

  こういう因縁めいた嬉しい出会いって
  たまにあるよな~

2)古陶文彙編
  中国の中華書局から出版されているのを昔見た。
  30年近く前。
  まぁまぁいいお値段で
  中国らしい少々雑な装丁だったと思う。
  そのあと東方書店からこれがでた。
  9800円。
  中華書局の本より、装丁はよいがさらに良いお値段。
  
  なんとなくほしいけど
  利用する可能性は低いこの本に1万円はちょっと
  と思い、何度か手にし、同じ回数だけ棚に戻した。

  それがなんと2000円になっている。
  驚いて手にしたが
  すでに本がいっぱいのかばんに
  この大判の本を入れていいのか、
  と正気に返り、
  元の場所に戻したら、店のおじさんが
  「1000円ならどう?」と声をかけてきた。
  正気を失い、
  「ありがとうございますっ!」
  といって重い1冊をかばんに詰め込んだ。
  
3)藻類30億年の自然史
  大学から、入社してしばらくまで
  藻類の研究をしていた。
  この本が定価たったの3800円か~
  こういうの、大学の時ほしかったな~。
  著者の井上先生には
  就職の時お世話になった。

  中身も興味あるけど
  思い出を買ってみた、というところ。

4)標本の作り方
  腊葉標本(押し葉)から岩石、虫、鳥、
  哺乳類は液浸(アルコール漬け)から剥いだ革のなめし方まで…
  これはすごいよ。
  子供のころほしかったなー

今日の戦果
区分 タイトル 編著 出版元 定価 購入 状態
自然
科学
むし学 青木淳一 東海大学出版会 2,800 900 新古(出版元直売)
標本の作り方 大阪市立自然史博物館 東海大学出版会 2,500 800 新古(出版元直売)
かわらの小石の図鑑 千葉とき子斎藤靖二 東海大学出版会 2,500 800 新古(出版元直売)
藻類30億年の自然史 井上勲 東海大学出版会 3,800 1,200 新古(出版元直売)
フィールド図鑑コケ 井上浩 東海大学出版会 2,000 600 新古(出版元直売)
漢詩 中国詩人選集 白居易 上  高木正一 岩波書店 220 300 古本(新古?)
中国詩人選集 白居易 下 高木正一 岩波書店 220 300 古本(新古?)
中国詩人選集 李煜 村上哲見 岩波書店 220 300 古本(新古?)
中国詩人選集 曹植 伊藤正文 岩波書店 220 300 古本(新古?)
中国詩人選集 黄庭堅 荒井健 岩波書店 220 300 古本(新古?)
中国詩人選集 梅堯臣 筧文生 岩波書店 220 300 古本(新古?)
中国詩人選集 黄遵憲 島田久美子 岩波書店 220 300 古本(新古?)
日本雑事詩 黄遵憲 平凡社 東洋文庫 450 540 古本
日本詩人選 一休 富士正治 筑摩書房 1,400 300 古本
文字 古陶文彙編 高明 東方書店 9,800 1,000 新古(出版元直売)
桂東雑記Ⅰ 白川静 平凡社 1,800 800 古本
桂東雑記Ⅱ 白川静 平凡社 1,800 800 古本
朝鮮
歴史
オンドル夜話 尹学準 中公新書 560 200 古本
海東諸国記 申叔舟 岩波文庫 770 100 古本
合計 31,720 10,140









14:10のかばん。
このあとなお3時間以上歩いたのである。


2016年10月27日木曜日

因縁の本2冊

そうでなくても増える傾向にあるので
本はなるべく買わない。

なのに今月は
研修や頂き物で6,7冊増えたところに
自分でも4、5冊買ってしまった。

そんな中での「因縁本」が
先おとといAmazonで注文して
昨日と今日届いたこの2冊。

1)塩鉄論
2000年ほど前
中国の朝廷で巻き起こった経済論争の議事録

これが「リクエスト復刊」したときのことを覚えている。
新聞に広告が出て
「これは」と思って本屋に行ったが
数ページ立ち読みして
「こりゃ読了できんわ」
と思って棚に戻した。

それからも
時たま本屋で手にとっては棚に戻す、
を続けていたが
ここ数年は本屋に行くことも少なくなり
しばらく忘れていた。

4日前、なんだかのサイトを見ていて
「やっぱこれは買っておくべきだな、
 読まないとしても」
と思ってAmazonにアクセスしたら
すでに絶版になっていた。
そりゃそうだよな。
リクエスト復刊してからすでに22年たっていた。

古本を購入した。


2)女官
軽く品のいい語り口で語られる、
著者の体験した浮世離れした宮中の暮らし。
あっという間に読み終わった。
しかし
上流上品の記述の中に
女性の閉鎖空間のドロドロした闇が
そこかしこにちりばめられていて
いっそそら恐ろしい。
典侍/権典侍(高位の女官)を
「(天皇の)お妾さん」「影の人」とさらりと云ってのける。
大正天皇の御生母、柳原内侍の回想は
「どこから誰が見たらお美しかったのか。」
である。

…というのはまぁよいとして
因縁は
著者の「山川三千子」女史である。

中学校の上級生に
 山川三千子さん
がいた。
生徒会の選挙に立候補した。
その演説で、
「私の名前は山川三千子
 漢字はすべて小学校1年生で習う
 3画の漢字!」
と連呼した。

記憶にこびりつく名演説。
その名を忘れることができない。




2016年10月26日水曜日

昼休みの秋

久しぶりに昼休みの散策

トリカブトが咲いていた





コシオガマ
これは半寄生植物。


タンキリマメ
日向の鞘は赤が鮮やか
豆がつやつや




ヌスビトハギは眼鏡のよう


ヤマユリ


セイタカアワダチソウ


ススキ



ホトトギス



アオツヅラフジ
おいしそうだけど毒あり。






油断していたら
10か所近く蚊に刺された。

盤糸洞

ジョロウグモ。
秋も深まり
どんどん大きくなっている。
今は食事中。



西遊記にある
盤糸洞の7人の女妖の正体は蜘蛛だった。
へそから繰り出した糸で
三蔵法師をからめとった。
その師匠の花観の道士の正体はムカデ。
妖道士は孫悟空が助けを求めた昴日星官(スバルの神様/正体は鶏)に退治される。

ジョロウグモの黄色い糸を見るたびに
そんな話を思い出す。

2016年10月7日金曜日

芋七輪

久しぶりに庭に手を入れた。
涼しくて気持ちのいい夕方。
庭がきれいになったら
ちょっと外を楽しみたいでしょう。

おもむろに七輪に火を入れる。


「なんか焼くもの!」
といったが
急に言われてもおあつらえ向きなどない、
ということなので
せめてものこと
ジャガイモを焼く。


七輪に入りきらないので
少し焼いたらだして
上にあった焼けていない芋を中に入れる、
を3,4回繰り返す。


七輪と焼酎とパソコンと


焼きすぎたか?


いやいや
なかなかいい感じ。


皮が香ばしくてすばらしい。


割れナスや 食べてもらえる 果報者

ナスはもうあまり花が咲かなくなった
トマトは咲くし、ちょっと実るけど
赤くならない。
あきらめて刈り取ることにした。

ナスを刈り取り始めたら
「あそこに大きいのなっているよ」
といわれたが
色も悪いし、大きく割れているから捨てるんだといったら

「剥いて割れた固い表面だけとれば
 中は普通だよ。
 おとといの炒め煮にもこんなナスをいくつもいれたよ」

という。

家族は
庭で採った野菜が
形が悪かろうと虫に食われていようと
嫌な顔もしなければ
疑問も呈さない。

いくらつくってもどんどん捨てられていたら
野菜作っても面白くなかったろうな。

庭仕事、
言えば手伝ってくれるけど
言わなくてもちょっとくらい手伝えよ、
と思うけど
よろこんで食べてくれるというのは
野菜作りのモチベーションへの
最大限の支援なんだ、ということに気付く。

最後のナスはこれ。
この見てくれで
 食べよう、
と言ってもらえるなんて
果報者だな。


2股に分かれたトマトの
長い幹は根元から3.8m
短いほうの幹も2.9mだった。
蔓おろししながら育てたので
いつの間にこんなに長くなっていた。






トマトの幹は
太いところで3㎝くらいあった


 いくらおいても赤くならない実は
糠漬けにしてみる、
とのこと。


一句
 ナス3つ、トマト1つの夢のあと










わた

空き地でワタが実っていた。
オクラやハイビスカスとそっくり
アオイ科の花。

芙蓉(アオイ科)の種の中もちょっとワタっぽいよね。
あの実が大きくなって
ワタがもっと増えた感じなんだろうな。
面白い。

ここは去年もワタが実をつけていた。
おととしもあったかもしれない。
この空き地には
春はチューリップが群生している








2016年10月5日水曜日

ねぎ放題

葱シーズンはじまる。

1株(1株は3~5球根)ずつ刈り取るが
あっちこっちに80株以上は植えてあるので
1日2株使って
40日で使い切ったころ
元の株が収穫期になる、
という皮算用。

4月か5月まで採る。



2016年10月3日月曜日

空芯菜の花

毎年、1輪くらいは咲くけど
2輪も3輪も咲いた覚えもない。

空芯菜(くうしんさい)。
うちの周りのスーパーでは
朝顔菜(あさがおな)の名前で売られている、
朝顔の仲間。

花は朝顔そっくり!
…といいたいけど
むしろ夕顔が思われる。

朝顔、空芯菜、
ついでにいえば
昼顔、夜顔、それに薩摩芋はヒルガオ科、
夕顔はウリ科なのだけれど。


夕顔という名も花も
なんだかはかなげに思われるのは
薄暗い中で開くよわよわしげな白い花だからなのか
朝を待たずにしぼんでしまうからなのか
源氏物語の余韻なのか。

…3つコミ、なんだろうな。



心あてにそれかとぞ見る
 白露の光そへたる夕顔の花
         (源氏物語 夕顔)


心あてに折らばや折らむ
 初霜の 置きまどはせる白菊の花
         (百人一首/古今集 凡河内躬恒)

にそっくり。




…空芯菜の花の話だった。

めっきり秋っぽくなって草の勢いが衰えてきたうえに
長雨と、行事続きの週末で手が入らず
庭は荒れ気味。

苦瓜の蔓はだいぶ衰えたけど
実はまだだいぶ採れる。


週末晴れるとよいのだけれど。

2016年10月1日土曜日

まぁ、そうなるよ。

塀沿いに建てた
木切れ用の小屋の屋根は
半透明の波板1枚。
雨はしのげても
湿気はダイレクトだし
日差しは強い。

そこで保管すれば
杉板はこうなる。



曲がった板を
曲がっていないと自己暗示をかけ
割れるともままよ!
と、
小さな棚?をつくって
棚に入れる。


ネジで押さえ込むとき
 ばきっ!!
とかいうけど
聞かなかったことにする。