贈猫
陸游
陸游
裹鹽迎得小狸奴
塩をお礼にして
子猫をうちに迎えた
盡護山房萬卷書
うちの膨大な本を
ネズミから守ってくれる
慚愧家貧策勳薄
恥ずかしいけど
うちは貧しくて
十分なご褒美はやれない
寒無氈坐食無魚
寒くてもフェルトの敷物もないし
ごはんに魚もつけてやれない
ごめんな。
小狸奴
は
「子だぬきのヤツ」
ではなく
猫のこと。
子猫ちゃん、といったところか。
ドラえもんが
「タヌキ!」
といわれて怒るシーンはお約束だが
この伝で行けばさだめしドラえもんは
青狸奴
であろう。
タヌキといわれるのも、
あながち故なきこととはいえない。
西遊記で牛魔王(正妻は羅刹女)の愛人の妖怪を撃ち殺すと
その正体は「玉面狸」であった、
とある。
玉面狸が何者であるかはわからないが
これもタヌキではなさそうだ。
陸游も梅堯臣も
猫に本(だけではあるまいが)を鼠害から守らせたという詩を作っている。
唐詩選に猫はみないから
(というか、龍鳳、牛馬以外の動物もあまり見た覚えがないが)
中国では宋になって猫が増えたのだろうか。
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