吉川英治の三国志では
その予言詩とでもいうべき童謡を
次のように記す。
蒼天已(すで)に死す
黄夫当(まさ)に立つべし
歳は甲子にありて
天下大吉
ナウシカの「青き衣のもの」ではないが
黄夫当(まさ)に立つべし
歳は甲子にありて
天下大吉
青空のような正義が死んで
「黄色い男たち」が立ち上がる…
ナウシカの「青き衣のもの」ではないが
はっきりはしない迫りくる「何か」を暗示する
期待とも不安ともつかない妖しい空気あるではないか…
と思っていたら
この「黄夫」が
作者の創意または(あまりによくできた)誤謬であることを
作者の創意または(あまりによくできた)誤謬であることを
ついいましがた知った。
後漢書の皇甫嵩朱儁列伝によれば
後漢書の皇甫嵩朱儁列伝によれば
蒼天已死
黃天當立
歲在甲子
天下大吉
黃天當立
歲在甲子
天下大吉
であるとのこと。
40年近くの誤解していたとは…!
確かに「黄天」のほうがわかりやすく
韻としてもよさそうには思われる。
ただ(食い下がるようでおかしいが)
黄巾の乱崛起の予兆としては
「黄夫」の方が似つかわしく思われるし
無論、
吉川三国志は「黄夫」でなくては成り立たない。
奇跡の誤謬か
稀代の思いつきか…
いずれにせよ
日本では「黄夫」を心に刻んでいる人が
もしかすると大多数であるに違いない。
吉川英治も
罪作りなことではある。
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