2015年12月5日土曜日

春を待つもの 待たぬもの

小指よりも小さなカナヘビ。
体に比して大きな頭の大きな目がうつろ。
寒いよな。
春まで生き延びろよ。


枯草のような鎌。
眼の色さえくすんでいるが
それはそれで美しい。
ニガウリの蔓に産み付けられていたのはお前の卵か。
刈り取った卵の蔓は
キンモクセイの枝にしっかり結びつけておいたから
憂えるには及ばない。



ひと夏、怖い顔して、虫を狩って、生きて、子をなして
冬、
ふと気が付いたら
自分だけが生き残って
死を待っている。


その強さ、矜持がすこし悲しい。

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 鷹の面きびしく老いて哀れなり(村上鬼城)

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