2015年12月4日金曜日

山帰来、土伏苓、菝葜とサルトリイバラ

「さんきらい ですね」
と言われた。
そうだこれ、「山帰来」だった、と思いだした、
サルトリイバラのつもりでアップしたけど
サンキライと呼ぶ人の方が多いかもしれない。

標準和名 サルトリイバラ
とげとげの蔓植物で、猿が絡めたられそうだから、
…だろうと思う。

「山帰来はサルトリイバラの漢名、漢方薬としての名前)で…」

とか薀蓄を垂れ流し始めたが、
書きながら「あれ?」と思うところがあって
ちょっと調べたら
「通俗的には間違いない」
「学術的には誤り」
みたいだった。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

非常に丁寧に考証している方がいて
その記述を僕なりに概述すれば

漢名「土伏苓(ドブクリョウ)」、
和名でいえば「ケナシサルトリイバラ」という植物(から作る生薬)は
なぜが、いつのころからか、日本では
生薬名として「山帰来(サンキライ)」と呼ばれるようになった。
ケナシサルトリイバラとよく似た
サルトリイバラもいつしか山帰来と呼ばれるようになった。
ただし
サルトリイバラの生薬としての名前は「菝葜(バッカツ)」。
日本薬局方の山帰来も植物としてはケナシサルトリイバラであって
サルトリイバラではない

まとめると
 サルトリイバラは俗に山帰来と呼ばれ、定着している
 ただし、生薬の山帰来はサルトリイバラではない。


知ったかぶりでまちがった薀蓄を垂れたのは恥ずかしいけれど
なんか今、
新しいことがわかったうれしさで
少し興奮している。

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誤った薀蓄は下記の通り

 秋らしいですよね。
 これ会社の敷地の中にたくさん生えているんです。
 とげとげがあって猿がからまりそうなので標準和名は「さるとりいばら」といいます。
 山帰来(さんきらい)は漢方での名前(漢名)。
 イカリソウ(和名)とインヨウカク(淫羊角 漢名)みたいな関係です。

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落語「藪医者」で、
読み書きのできない医者が、
薬の袋に
 おなかの大きい奥さんから旦那が逃げる絵
を描いている。
なんの薬だ?というと
「お産が嫌い→産嫌い→さんきらい(山帰来)」
というのであった。
この落語の好きな下りの一つ。



サルトリイバラ、
という響きはどこか理屈っぽい。
花器に活けたりリースにするなら
サンキライ
の方がふさわしい。

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