転校生だった僕は
見たことのないその雰囲気に
どうしてもなじめず近づかなかったが、
その当時はまだ、
駄菓子屋の奥で、
もんじ焼は焼かれていた。
今の、具だくさんで豪奢なもんじゃ焼きとは
トンブリとキャビアほども違う、
あんこ玉やくじ引きほどの値段の、
こどもの外食だった。
宇都宮の「木村製菓」の駐車場の片隅の
ちいさな店で
んな正調のもんじ焼を食べた
1杯80円。
10円と20円の具材は別売り。
3人で300円で、雑談に興じながら
30分かけて食べた。
おいしかったし、たのしかった。
こどものころみたもんじ焼は
こんなに清潔ではなかったけれど
できることならこどもであった僕には
「一回くらい食べておくがいい」
と言ってやりたい。
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